VMware系ではおなじみのブリッジインタフェースだが、KVMでは
デフォルトはNATになっており、ブリッジインタフェースを親機に
作ってあげないと設定できない。
なんのこっちゃというと
192.168.0.0/24
├192.168.0.1 :親機
│├192.168.0.11 :仮想機1
│└192.168.0.12 :仮想機2
│
・・・
といったように、親機と同じネットワークグループ内に仮想マシンを
接続出来ないということになる。
KVMデフォルトでは下記のようになってしまう。
(ipはてきとう)
192.168.0.0/24
├192.168.0.1 :親機
│├192.168.100.254 :仮想ルータ(親機)
││├192.168.100.1 :仮想機1
││└192.168.100.2 :仮想機2
││
・・・
まあつまりNATだとどういう不都合があるかというと、親機と同じ
ネットワークの端末から直接仮想マシンにリモートログイン出来ないのだ。
もちろん、環境再現やクローズテストなど、親機のネットワークに
縛られない方が良い場合によってはNATの方が良い場合もあるが、
ここでは同じネットワーク環境でハード端末と同じように扱う為に
ブリッジを作成することとする。
前置きが長くなってしまったが、NATとブリッジに関しての詳しい
解説が知りたい場合、別途ネットワークのお勉強をして下さい。
ほんの基礎的なことなので、LPIC1や基本情報処理技術者で十分です。
1.ブリッジネットワークの作成
KVMの場合、親機で設定する項目です。
なお、設定を大幅に変更する作業になりますので、各ファイルの内容は
必ずバックアップとを取って下さい。
はじめに新規に下記ブリッジインタフェースを作成します。
仮に親機のIPが「192.168.0.1」であるとして設定のサンプルを記します。
/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-br0
DEVICE=br0 TYPE=Bridge BOOTPROTO=static BROADCAST=192.168.0.255 IPADDR=192.168.0.11 NETMASK=255.255.255.0 NETWORK=192.168.0.0 DELAY=0 |
注意点として、ネットワーク情報は物理NICではなくこちら側に記載します。
このデバイスは物理デバイスではないので、MACアドレスが存在しないことに
気をつけて下さい。
また、これらの宣言文や設定値は大文字小文字を識別する点に注意して下さい。
2.物理NICの設定
次に物理NICは仮にLANアダプタ0番(eth0)を使用するとします。
本来はこちら側にIPアドレスなどが設定されていますが、今回の設定では
IPアドレスなどについては前項で設定している為、こちら側では定義を
行わない点がポイントです。
下記設定ファイルを編集します。
/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0
DEVICE=eth0 HWADDR=**:**:**:**:** ONBOOT=yes BRIDGE=br0 |
HWADDRについては実際のMACアドレスに読み替えて下さい。
BRIDGE項に先ほど作成したデバイス名称である「br0」を設定します。
上記でネットワークを再起動し、ifconfigで下記の内容を確認します。
1.br0側にIPアドレス設定されていること。
2.eth0側にIPアドレスが設定されていないこと。
上記を確認したら、KVM親機の場合は一度再起動を行うことをお勧めします。
再起動後、仮想マシン作成マネージャにてブリッジネットワークが
選択できるようになっているはずです。
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